「ラン活」という言葉を、上のお子さんがいる知り合いから聞いて調べ始めた方が多いのではないでしょうか。
ラン活とは、小学校入学に向けてランドセルを選び、購入するまでの一連の活動を指す言葉です。就職活動を「就活」、婚活と同じ言い回しで、情報収集からカタログ請求、展示会での試着、購入までをまとめてこう呼びます。
なぜ1年がかりになるのか
「ランドセルを買うだけなのに大げさでは」と感じるかもしれません。理由は需要側ではなく、供給側の構造にあります。
工房系と呼ばれるメーカーは、職人による手作業の工程が多く、少量ずつしか作れません。生産枠が埋まればそこで受注は終わりです。早く動いた人から埋まっていくため、「早くしないと選べない」という体験が共有され、購入時期が年々前倒しになってきました。
裏を返せば、この加速に付き合う必要があるのは、工房系や限定モデルを狙う場合だけです。大手メーカーの主力モデルは量産できるため、夏以降でも選べることが多くあります。
ラン活でやること
1. 情報収集(年中さんの秋ごろ)
どんなメーカーがあるのか、価格帯はどのくらいかを把握します。この段階では絞り込まなくて構いません。
2. カタログ請求(年中さんの冬ごろ)
気になるメーカーのカタログを取り寄せます。早いメーカーでは年中さんの夏ごろから受付が始まります。カタログは12月上旬ごろから順次発送されることが多いようです。
3. 展示会・店頭での試着(年長さんの春)
実物を背負います。背負い心地は個人差が大きく、カタログの数字だけでは判断できません。3〜6月が展示会のシーズンです。
4. 購入(年長さんの春〜夏)
決めて注文します。工房系では6〜7月に人気モデルの完売が出始めます。
やること自体は4つです。難しいのは、それぞれに適した時期があることです。
あわせて読みたい ラン活はいつから?年間スケジュール完全ガイド ラン活の山は「年中さんの冬から、年長さんの初夏まで」です。カタログ請求・展示会・完売の時期を月別に整理し、今どこにいるのかが分かる形にしました。最初の一歩を具体的に知りたい方は、ラン活は何から始める?最初の5ステップに順番をまとめています。
いくらかかるのか
ランドセル工業会が2026年に実施した調査(n=1,500)によると、平均購入金額は62,034円でした。
価格帯の分布はこうなっています。
- 65,000円以上 … 46.0%
- 55,000〜64,999円 … 18.1%
- 40,000〜54,999円 … 14.2%
- 25,000〜39,999円 … 8.6%
- 24,999円以下 … 6.3%
6万5千円以上が半数近くを占める一方、4万円未満で買っている家庭も約15%あります。相場に合わせる必要はありません。
あわせて読みたい ランドセルの値段相場と予算の決め方 平均は62,034円。ただし「相場に合わせる」必要はありません。価格差が何についているのかが分かれば、自分の家庭の適正額は決められます。誰が買うのか、を先に決める
見落とされがちですが、実務上いちばん揉めやすいのがここです。祖父母からの援助を前提にしている家庭は珍しくありません。
このとき起きやすいのが、世代間の前提のずれです。祖父母世代の感覚では「ランドセルは赤か黒」ということもありますが、現在の女児の人気色1位は紫・薄紫で30.0%、赤は6.6%で5位です。
予算の上限と、誰がどこまで出すのかは、候補を絞る前に話しておいてください。
何を基準に選ぶのか
同じ調査で、購入の決め手として挙げられた項目は次のとおりです。
| 決め手 | 割合 |
|---|---|
| 子どもの好きな色 | 52.5% |
| デザイン | 35.1% |
| フィット感 | 21.6% |
| 丈夫さ | 19.7% |
| 軽さ | 17.5% |
| 有名ブランド | 14.7% |
1位が「子どもの好きな色」というのが、ラン活の実態をよく表しています。有名ブランドは14.7%にとどまります。
ラン活をしないとどうなるか
正直に書きます。大手メーカーを中心に考えるなら、ほとんど困りません。
購入までに訪れた場所の1位は、GMS・大型スーパー・ショッピングモールで38.1%。展示会に行かずに、こうした売り場で決めている家庭が最も多いのが現実です。
ラン活が必要になるのは、工房系を狙う場合、限定カラーが欲しい場合、そして納得して決めたい場合です。最後の理由は数字には出ませんが、6年間毎日使うものをやり直しのきかない条件で選ぶ以上、十分に正当な理由だと思います。
あわせて読みたい ラン活はくだらない?しないとどうなるか ランドセルひとつに1年がかり、と聞くと大げさに感じるのは当然です。ラン活をしなくても困らない家庭と、しておいたほうがいい家庭を分けて考えます。写真で見るランドセル(系統別)
工房系・大手・ファッション系から1つずつ選びました。系統ごとの雰囲気の違いがつかめます。

カザマ「マーメイド」
女の子向け・57,800円(税込)・約1,150g

ハネッセル BOY 1BOX
男の子向け・定価60,500円(税込)・約1,110g
MARY QUANT(マリークヮント)のランドセル
SHIFFON公式・2027年入学モデル

モギカバン「スタンダード」シリーズ
63,800〜77,000円(税込)
価格・在庫は変動します。最新の価格は各販売サイトでご確認ください。
平均購入金額・価格帯分布・色の人気・購入決定理由・訪問先の数値は、ランドセル工業会「ランドセル購入に関する調査 2026年」(2026年4月進学児童のいる20〜69歳男女 n=1,500 / 株式会社クロス・マーケティング実施)によります。スケジュールに関する記述は、ランドセルメーカー各社が公開している解説記事を突き合わせて整理したもので、公的な統計ではありません。
よくある質問
ラン活とは何ですか?
なぜ1年もかかるのですか?
ラン活をしないとどうなりますか?
費用はどのくらいかかりますか?
出典と編集方針本記事はランドセルメーカーの公式発表資料や公的機関の公開情報をもとに編集部が作成しました。価格・仕様・日程は変更される場合があるため、最新情報は各公式サイトでご確認ください。
